美容師からの転職-カリスマが贈る、生き残りをかけた「サバイブル」/【過去の章】世人が思う。美容師を辞めたい理由/手が荒れる

手が荒れる

美容師の大きな退職理由の一つに、「手荒れ」がある。見た目が荒れるだけならばまだ良いのだが、ひび割れによる痛みや、ひび割れた状態でのシャンプー時の痛み、傷口に毛が入り込んだときの痛みなど、他の業界人には分からない美容師特有の悩みがある。

重ねた手

特に新人のときは大変だ。

薬剤に対する皮膚の耐性が十分ではない時期に、ひたすら1日中、シャンプーとドライヤーで手を乾燥させ続けることになるからだ。しかも、そんな1日が週に5~6日は続く。

就職してわずか数ヶ月で、手の皮膚がボロボロの状態になっても全く不思議ではない。だからこそ、美容師を辞める大きな理由の一つに手荒れがあるのだ。

学生時代に美容師になるという夢を抱き、美容学校へ入学し、一生懸命頑張って国家資格に合格。夢に一歩近づいた矢先に、まさか手荒れで夢を断念することになるとは、本人も非常に残念な思いだろう。

ここでは、手荒れが理由で美容師を辞めた者のエピソードを紹介している。美容師にとって手荒れは深刻な問題であることを、改めて認識して欲しい。

シャンプーにカラーリング…薬剤を扱う美容師にとって、手荒れは切っても切り離せない死活問題。手荒れに苦しむ美容師の声を聞いてみよう。

手荒れで美容師を辞めたエピソード

手荒れエピソード1:美容師を続ける限り手荒れは治らない

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実は手荒れ防止のために手袋を着用しても、手荒れが一向に改善していないこともあります。

手袋をしたところですき間から水がたくさん入ってきますし、そうなれば手袋をしても美容師を続けている限りは手荒れがなくなりませんし…。

かゆみや痛みと戦いながら美容師を続けていましたが、結局はもうやめてしまいました。

手荒れエピソード2:手袋をしても手荒れのリスクはつきもの

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手荒れの酷い美容師には手袋をさせれば大丈夫…という意見もありますが、正直これもどうかと思います。

手袋をしたって手荒れするリスクが完全になくなるわけではないのだし、第一手荒れは本人の体質。

シャンプーはやめてカットやメイク専門の仕事をするなど、手荒れに悩む美容師さんには他の選択肢についても考えてもらいたいです。

手荒れエピソード3:処方された強い薬で手荒れをごまかす

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美容師をやっていた友人が本当に酷い手荒れ体質で、なんと2週間も入院しました。

その後も強い薬を皮膚科でもらい、何とか手荒れをごまかしながら美容師を続けているそうです。

指紋や爪の間にも薬剤やシャンプーが残ることがあるので、クリーム・軟膏を使う前に1度手をお湯でふやかす手間もかかるようです。

手荒れエピソード4:一定数の美容師が手荒れが原因で退職

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美容師の全員ではありませんが、一定数の人は手が荒れてしまったことを理由に離職。

実際に美容師をやっていると、本当に酷い手荒れに苦しんでいる人を見かけます。

シャンプーは手の皮脂をごっそり落としてしまいますし、パーマやカラーの薬剤で手が傷むことも非常に多いです。

お客様が良いなら手袋をしてシャンプーしても良いですが、お客様が嫌がれば手荒れと格闘しながらの作業になります。

手荒れエピソード5:手荒れの悪化が止まらず利用しを断念

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理容師を務めていた者ですが、修業時代に酷い手荒れになってしまいシャンプーを禁止され、処方されたステロイドを塗っても手荒れが治らない状態でした。スタッフにシャンプーしてもらうことで、どうにか技術を習得した状態です。ハッキリ言って、手荒れが酷い体質の人は美容師を辞めない限りは治らないと思います。

手荒れエピソード6:手袋での作業は禁止されていた

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手荒れが酷い人が美容師としてシャンプーするなら、グローブをするという抜け道があります。グローブをつけてシャンプーすれば手荒れの心配はまずありませんが、グローブの感触や髪の毛を引っ張る感じをお客様が不愉快に思うこともあります。そんな理由からグローブをさせてくれない美容院もあるので、手荒れが原因で美容師さんが悩むこともあるようです。

手荒れエピソード7:ステロイドを塗ってなんとかやり過ごす

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手荒れが酷いため、現在は皮膚科で処方してもらったステロイドの塗り薬と飲み薬を併用して美容師を続けている状態です。シャンプー専用グローブを使って美容師の仕事をしていますが、カラーリングのときなどには薬剤の関係でいちいちグローブを付け替え、タイムロスになってしまいます。また、グローブがあるとシャンプーや薬剤が流し切れているかを判別しづらいのもデメリットです。

手荒れエピソード8:グローブがクレームの原因に

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アシスタント時代の頃、先輩が手荒れ防止のために手袋をしてシャンプーをしていたところ、お客様が「髪が引っ張られて痛い」と怒り、そのまま激怒して帰ってしまったことがあります。店長も先輩も「仕方がない」というように対応していましたが、手荒れがあっても手袋なしでシャンプーすべきなのか、考えさせられました。

手が荒れる美容師から解放されるには…

手を広げる男性

美容師の誰もが抱える手荒れ。手袋をしたり、軟膏やクリームを処方してもらったりなど、もちろん美容師を続けられる対策が見つかったならそれで解決。

だが、どうしても手荒れが治らないのなら、美容師のスキルを活かせる他の職業を見つけて、手荒れとは無縁の生活を送るべきだろう。

エステティシャンや美容カウンセリングなど、手荒れとは無縁の美容職種はいくらでもある。

とはいえ、手荒れが原因で美容師を辞めるのはどうなのか?

本当は別の退職理由があるにも関わらず、美容師の中には「手荒れがひどいから」という理由を口実に業界を去る者がいる。いわば「逃げ」というわけだ。

しかしながら、他の業界の人間には分からないと思うが、本当に手荒れが理由で退職していく者が多いことも美容業界における事実。ある調査によると、美容師の退職理由の第1位が「人間関係」、第2位が「労働時間」、第3位が「給与」、第4位が「アレルギー・手荒れ」だ。

退職理由の第4位に位置する以上、手荒れを理由に美容師を辞める者に対し、一概に「逃げ」と評価するのは早計というものだろう。

ちなみに、手荒れを理由に退職した美容師が選ぶ転職先だが、上位にあるのが「オーガニック系シャンプーを使う美容院」「ブライダル業界」「他の種類の美容職」といったところ。まったく美容とは関係のない業界に転職する者もいるが、基本的には、何らかの形で美容に関わっている者が多いようだ。

転職活動において「手荒れ」で美容師を辞めたという理由はマイナス評価になることはない

美容師から別の業界への転職活動の際、面接では「なぜ美容師を辞めたのか?」と聞かれるだろう。その理由として「手荒れです」と答えると、採用に不利になるのではと考える者もいるはずだ。

しかし、退職理由に「手荒れ」と答えることは、決して不利になる話ではない。なぜならば、採用側は「手荒れさえなければウチは辞めないんだな」と思ってくれるからだ。「うつ病になったからです」「残業が多いからです」「給料が安いからです」などと答える者よりも、「手荒れです」と答える者のほうが、採用側にとっては安心だ。

また、美容師自身が気付いていない一つのスキルに、接客スキルというものがある。この接客スキルは、一朝一夕で身に付くものではない。接客スキルの高さは面接でも発揮されるはずだ。そのスキルを欲しいと思う会社は、多く存在することだろう。

カリスマカリスマ

当サイトでは、美容師から転職してメンズ脱毛サロンで働く男たちを追った。

収入が倍、ストレスからの解放など、彼らがどのようにして、今の充実した日々を手に入れたのか。

転職成功者たちが伝える「いま」を、美容師を辞めたい全ての人に贈る。

「手荒れが嫌なだけで美容師はどうしても続けたい」と思っている方へ

これ以上の悪化を予防

素手で薬剤に直接触れない

手荒れを予防するためのポイントは3つ。1つ目が、素手で薬剤に直接触れないことだ。個人差はあるが、薬剤は手荒れの最大の要因。使うときには、かならずグローブを着用するようにしよう。グローブを使っても手荒れする人は多いが、使わないよりは良い。

ハンドクリームや乳液をしっかり塗る

2つ目が、シャンプーの後にハンドクリームや乳液をしっかり塗ること。シャンプーの後の美容師の手は、ひどく乾燥している。ここにドライヤーの熱風を浴びせてしまうと、さらに手は乾燥して荒れてしまう。面倒かも知れないが、シャンプーの直後にはしっかりと肌のケアをすることが大切だ。

病院に通う

皮膚の強さには個人差がある。万全の手荒れ対策を行っていたとしても、残念ながら手荒れが悪化してしまう美容師もいるだろう。

手荒れが悪化してしまったら、すぐにでも病院に行ったほうがいい。中には「病院に行っても良くならない」という美容師もいれば、「美容師を辞めないと手荒れは治らないよ」という医師もいる。しかし、それでもやはり、病院に行くことが大事だ。

通う手間も考えて、家や店からアクセスの良い病院を選ぶこと。医師から冷たい対応をされたら、セカンドオピニオン、サードオピニオンを求めて、相性の合う医師を探すことが大事だ。

日頃の工夫を徹底する

病院のお世話になるとともに、手荒れ改善のためには日常的なセルフケアも大切だ。

たとえば、絆創膏の使用は欠かせないだろう。粘着力の高い絆創膏を選び、なるべく勤務中に貼り換えが必要のないようにしたい。日頃使うシャンプーやボディーソープは、洗浄力が抑えめの皮膚に刺激の少ないものを選ぶべきだろう。もちろん、保湿も徹底することだ。

そして、注意したいのが、深夜の就寝中。寝ている間の痒みで無意識に皮膚をボロボロにしてしまっては、日中の努力が水の泡になる。就寝中に汗をかかないよう湿度管理を徹底するなど、寝ている間の痒み対策をしっかりと行おう。

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